ソーシャルシグナルについて考える

ソーシャルシグナル(Social Signal)とは、ウェブサイトの検索順位を決める判断基準に、人の評価や感性を取り入れようという概念です。
Facebookの「いいね(LIKE)」や、TwitterでのツイートやRT(リツイート)、各種比較・評価サイトで成されるレビューといった、口コミに関する情報も含め、検索順位を判断するうえでの評価のひとつにしようという考え方です。

検索エンジンは、サイトの内部構造や更新頻度、キーワードの出現頻度や被リンク数などをアルゴリズムによって処理し、競合と比較することで客観的な評価をくだし、検索順位を決めていますが、ソーシャルシグナルはそれに加え、実際にインターネットを使用している人の“評価”をプラスすることで、より人間らしい検索表示を実現できる、という考え方です。

インターネットの持つ役割が、単なる“情報提供の場”から、“情報共有の場”へと変化するにつれ、検索エンジンがそれを参照せざるを得なくなったのだろうと想像ができますし、SNSが爆発的な普及を見せるなかで、『ソーシャルシグナル』という言葉自体、考え方自体がトレンドとなって独り歩きしたようにも感じられますが、しかし検索エンジン最大手のGoogleは、ソーシャルシグナルが検索結果に及ぼす影響を、やんわり否定しているようです。

その理由は、ソーシャルシグナルには、SNSなどが特に持つその性質上、影響力が余りにも大きく即時短期的で、安定性に欠けるものである、ということが挙げられるようです。

例えば、トレンドに乗ったツイートや、Facebookの「いいね」が、何千・何万という膨大な量のソーシャルシグナルを発生した場合、その勢いは、Googleが従来より推奨し、加点評価のひとつとしてきた「被リンク」のそれと比較して、あまりに膨大で、影響力が大きい言えるでしょう。
加えて、そのソーシャルシグナルを「いいね」やリツイートで拡散された後に、その発生源となるFacebook記事やツイートが、投稿者の意向によって削除されたとした場合、それは数万、数十万と膨れ上がった甚大な量のリンクが、インターネット上から一気に消え去ることを意味します。

またSNSや評価サイトは、その運営者の都合や意思決定によって操作・遮断される可能性があり、そうなれば発生されたソーシャルシグナルそのものが一切の価値を失ってしまうといったことも起こり得るのです。実際にTwitterが、ツイート数を非公開にしたことが過去にあり、そうした原因によって検索結果に大きな変化が生じることは、その評価がとても移ろいやすく、安定性に欠けたものと言えるでしょう。

しかし、FacebookやTwitterを用いたウェブマーケティングが、実際にインターネットを使う人間の評価を如実に示し、拡散を促す強力なツールであることに変わりはありません。
数多あるツールの特性を充分に理解し、展開しようとするビジネスの業種業態、方向性に合わせた相性のいいツールを的確に選んで、“検索の先のニーズ“の抱え込みに注力していくことが、ビジネス成功の鍵となるということに変わりはないでしょう。